今、城崎温泉はカニ料理で賑わっています。でも幕末には、黒船の来航以来日本中何処もかしこも、社会不安の真っ只中。日本海の片田舎の但馬も例外ではありませんでした。
幕府のお尋ね者になった桂小五郎、彼もその時流の中、必死に明日の日本を思い描きながら生きていました。若々しい長州藩の風の中で育った彼も、多彩な人々との交流から日本の将来を悲痛なほどに案じ、ほとばしる情熱の赴くまま青春を生きていました。
蛤御門の変の後、身を隠した宿それが松本屋今のつたや旅館です。
幸運なことに、震災で焼失する前の写真が歴史民俗博物館に残されていました。それがこの写真です。桂小五郎がこの部屋に隠れていました。桂のその時の気持ちを思うと、今更に耐え難くなります。
現在この写真は、つたや旅館が創りましたチラシの中に載っています。裏面には、桂の但馬潜伏の年表が併せて載っています。
ロビーにチラシはありますので、宿泊のお客様がお持ち帰りになります。